はじめに|群馬と栃木を結ぶ渓谷鉄道の魅力
わたらせ渓谷鐵道は、群馬県桐生市から栃木県日光市足尾町を結ぶ、全長44.1kmのローカル鉄道です。通称「わ鐵」として親しまれ、渓谷美を楽しめる観光列車として人気を集めています。
運営するわたらせ渓谷鐵道株式会社は群馬県の第三セクター企業。栃木県の会社かと思っていましたが、群馬県の会社でした。
今回、家族4人(大人2人、4歳と2歳の子ども)で実際に乗車した体験をもとに、チケットの買い方から注意点まで、詳しくご紹介します。
トロッコ列車は2種類|運行期間の違いに注意
わたらせ渓谷鐵道のトロッコ列車には、運行時期が異なる2つの列車があります。
トロッコわたらせ渓谷号

- 運行期間:3月〜11月(基本的に土日祝日運転)
- 運休期間:12月〜2月
- 繁忙期:紅葉シーズンと桜シーズンは平日も運行
トロッコわっしー号

- 運行期間:10月〜5月
- 運休期間:6月〜9月
今回は9月の祝日だったため、『トロッコわたらせ渓谷号』でした。
ポイント:トロッコ列車は1日1往復のみで、運行区間は桐生駅からではなく大間々駅〜足尾駅間です。
チケット購入方法|事前予約が必須
必要なチケットは2種類
わたらせ渓谷鐵道のトロッコ列車に乗るには、以下の2つのチケットが必要です。
1. トロッコ整理券(座席予約券)
- 大人:520円
- 小児:260円
- 購入開始:乗車日の1ヶ月前 午前11時から販売開始
- 購入方法:公式サイトからオンライン購入可能
- 注意:定員になり次第販売終了
重要ポイント:小さなお子様でも、膝上抱っこ以外で座席を利用する場合は整理券が必要です。
2. 乗車券(運賃)
- 大間々駅〜通洞駅または足尾駅(片道)
- 大人:940円
- 幼児(小学生未満・1~5歳):大人または小児1人につき2人まで無料
- 購入方法:当日、大間々駅の券売機または窓口で購入可能
お得な一日フリーきっぷがおすすめ
往復利用する場合は「お得な一日フリーきっぷ」がお得です。
特典内容:
- わたらせ渓谷鐵道全線(桐生~間藤)乗り放題
- 足尾銅山観光の入坑料が100円割引
- その他、沿線施設での各種割引特典
往復料金と同額で特典が付くため、観光も楽しむならこちらを選びましょう。
座席選びのポイント|トロッコ車両vs普通車両
今回の乗る「トロッコわたらせ渓谷号」は、ディーゼル機関車が客車を引っ張ります。窓ガラスのないオープンタイプのトロッコ車両2両を、窓ガラス付きの普通車両2両で挟んだ形で連結した4両で走ります。
トロッコ整理券を購入する際、トロッコ車両か普通車両がを選びます。
トロッコ車両(オープンタイプ)
- 窓ガラスなしの開放的な車両
- 風を感じながら渓谷美を堪能できる
- 人気が高く早めの予約が必要
- 座席指定:当日午前9時から大間々駅窓口で先着順に指定可能
- エアコンなし

重要ポイント:ネットで座席指定はできません。乗車当日に駅で整理券と引き換えになります。
普通車両
- 窓ガラス付きの一般的な車両
- エアコン完備で快適
- 全席自由席
- 小さなお子様連れには安心

どちらも一長一短ありますが、小さなお子様連れは普通車両の方が安心だと思います。
また、どちら側に座った方がより眺めを楽しめるかも気になるところ。
おすすめの座席位置:
- 前半区間(大間々〜沢入駅):進行方向右側
- 後半区間(沢入駅〜通洞駅):進行方向左側
事前に調べた際、ネット上では進行方向の右側推奨派が多かったのですが、実際乗車した感想はこうなりました。
当日のスケジュール|足尾銅山観光も楽しむ
時刻表
- 往路:大間々駅 10:54発 → 通洞駅 12:23着(足尾駅 12:27着)
- 復路:通洞駅 14:02発 → 大間々駅 15:27着
足尾銅山観光のポイント
足尾銅山を見学する場合、最寄り駅は足尾駅ではなく通洞駅になります。

観光時間:約1時間40分(12:23着〜14:02発)
足尾銅山 入坑料

- 大人:830円
- 未就学児:無料
- 割引:一日フリーきっぷ提示で100円割引
坑内トロッコ

- 運行間隔:約15分(混雑時を除く)
- 所要時間:約7分
注意:坑内のトロッコは片道のみの運行。帰りは徒歩で見学していきます。


リアルな人形で当時の様子を展示しています。照明も相まって、若干の不気味さが否めません。坑道を抜けると、小さめの博物館のような展示エリアもありました。




混雑時は20分程度待つこともあるため、時間に余裕を持って行動しましょう。見学は少し急ぎ足になりますが、日本の近代化を支えた足尾銅山の歴史を肌で感じられる貴重な体験ができました。

通洞駅周辺グルメ
通洞駅前のますや肉店では、足尾名物となっているコロッケやメンチカツを販売。昔ながらのコロッケは帰りの電車を待つ間のおやつにぴったりです。
車内での食事について
トロッコ列車内での食事は基本的に自由です。片道約1時間半の道中、以下の選択肢があります。
おすすめの食事スタイル
- トロッコ弁当(事前予約制)
- お弁当を持参
- 駅弁や売店で購入
足尾銅山観光をする場合、ゆっくり食事する時間がないため、車内で食べられるよう準備しておくのがおすすめです。
小さな子ども連れの注意点
トロッコ車両の安全対策
窓ガラスのないトロッコ車両は開放感が魅力ですが、小さなお子様連れの場合は注意が必要です。
気をつけるポイント:
- 手や顔を窓から出さないよう常に見守る
- トンネル区間では騒音(「キキーッ」という金属音)が響く
様子を見て、必要であれば普通車両への移動を検討しても良いと思います。
トンネル内イルミネーション
神戸駅〜沢入駅間のトンネル区間では、車内イルミネーションの演出があります。幻想的な光景が楽しめますが、トロッコ車両では騒音がかなり大きいため、音に敏感なお子様は注意が必要です。

大間々駅へのアクセス

駐車場情報
- 料金:1日500円
駅もしくはコンビニで駐車券を購入し、ダッシュボードに置くスタイルです。 - 営業時間:列車の運行時間に合わせて開場
乗車について
- 列車乗車開始:10:15頃から
- 窓口営業:座席指定券の発行は午前9時から
早めに到着して座席指定を済ませておくと安心です。
帰りの電車の注意点
復路の『トロッコわたらせ渓谷号』は、往路とは異なりトロッコ車両・普通車両ともに全席自由席となります。行きで指定席を確保していても、帰りは早めに並んで座席を確保しましょう。
まとめ|わたらせ渓谷鐵道を楽しむコツ
片道約1時間半、往復約3時間の『トロッコわたらせ渓谷号』の旅、渓谷の絶景と歴史ある足尾銅山を満喫できてとても楽しかったです。
チケット購入方法は少し複雑ですが、事前にしっかり確認しておけば、家族みんなで楽しめる素敵な旅になります。ぜひ、わたらせ渓谷鐵道で特別な思い出を作ってください!